焼入れと硬さの試験法の種類

焼き入れとは鉄鋼材料を高温に加熱しその後急冷することで硬度を高める熱処理

焼入れによって製品の摩耗特性、対疲労性が向上し長寿命化につながります。また、鋼の硬化程度は鋼材に含まれる炭素の量で変化します。製品がどのような環境下で使われるのか、どれほどの硬度が求められるかを考慮し、必要に応じて焼入れ処理を行います。このページでは、鉄鋼材料の熱処理の種類、硬さ、試験方法まで一覧で確認することができます。

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鉄鋼材料の熱処理

名称 ビッカース
硬さ
(HV)
ロックウェル
Cスケール硬さ
(HRC)
焼入れ深さ
(mm)
歪み 処理できる
材質
代表的材質 備考
全体焼入れ
(ズブ焼入れ)
750以下 62以下 全体 材料に
よって
異なる
高炭素鋼
C>0.45%
SKS3
SKS21
SUJ2
SKH51
SKS93
SK4
S45C
  • 鋼を硬化し、または強さを増加するため変態点以上適当な温度に加熱した後、適当な媒剤中で急速に冷却する操作
  • スピンドルなどの長物や精密部品には使用しない方がよい。
浸炭焼入れ 750以下 62以下 標準0.5
最大2
低炭素鋼C<0.3% SCM415
SNCM220
  • 部分焼入れ可
  • 焼入れ深さを図面に指示すること
高周波焼入れ 500以下 50以下 1~2 中炭素鋼C
0.3~0.5%
S45C
  • 高周波誘導電流によって、鋼材の表面を急熱し続いて急冷して硬化させる方法
  • 部分焼入れ可
  • 少量ではコスト高
  • 耐疲労性に優れる
窒化焼入れ 1000以下 68以下 0.1~0.2 窒化鋼 SACM645
  • 鋼の表面に硬い窒化化合物の硬化層を形成させる表面硬化法
  • 焼入れ硬さ最も大
  • 精密部品に適する
  • すべり軸受用スピンドルに適する
イソナイトタフトライド 炭素鋼 500
ステンレス 1000
炭素鋼 50
ステンレス 68
0.01~0.02 鉄鋼材料 S45C
SCM415
SK3
ステンレス
  • イソナイトは軟窒化と呼ばれる窒化処理法の一つである
  • 耐疲労、耐摩耗性良好
  • 耐食性は亜鉛メッキと同程度
  • 熱処理後の研磨はできないので精密部品には不適
  • 無給油潤滑に適する
ブルーイング 線材 SWP-B
  • 低温焼鈍である
  • 成形時の内部応力を除去し弾性を高める

表中の数値は参考値となります。詳細は各商品ページにてご確認ください。

硬さ試験法の種類とその適用部品

試験方法 原理 適用熱処理部品 特色 備考
ブリネル硬さ
  • 球圧子(鋼または超硬合金)で試験面にくぼみをつけた時の試験荷重をくぼみ直径から求めた表面積で除した商
  • 焼きなまし
  • 焼きならし
  • 固定化などをした素材
  • くぼみが大きいので硬さ不均一な材料、素材、鍛造品に適している
  • 小さい試料や薄い試料には適さない
JIS Z2243
ロックウェル硬さ
  • ダイヤモンド圧子や球圧子を用いて基準荷重、試験荷重をかけて試験機の指示装置に表示された硬さ値から求める
  • 焼入れ、焼戻し品
  • 浸炭処理
  • 窒化処理
  • 銅、黄銅、青銅などの薄い板
  • 短時間で硬さ値が得られる
  • 現物での中間検査に適する
  • 30種類と多く注意を要する
JIS Z2245
ショア硬さ
  • 試料の試験面上に一定の高さからハンマーを落下させ、そのはね上がり高さから硬さを求める
  • 焼入れ、焼戻し品
  • 窒化処理
  • 浸炭処理などした大型部品
  • 操作が非常に簡単で短時間でデータが得られる
  • 大型部品に適している
  • くぼみが浅く目立たないので製品に適する
  • 小型軽量で持ち運べる
JIS Z2246
ビッカース硬さ
  • 対面角136°のダイヤモンド四角錐圧子で試験面にくぼみをつけた時の試験荷重とくぼみの対角線長からくぼみの表面積を求めて値を出す(換算は自動的)
  • 高周波焼入れ、浸炭、窒化、電気メッキ、セラミックコーティングなどの硬化層が薄いもの
  • 浸炭、窒化処理品の硬化層深さ
  • 小さい試料、薄い試料などに適している
  • 圧子がダイヤモンドなのでどんな硬い材料でも試験できる
JIS Z2244

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