ブッシュとは?部品の使い方や種類について解説!
目次
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1.ブッシュとは?
- 1-1.ブッシュの特長
- 1-2.ブッシュの材質
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2.ブッシュの種類と使い方
- 2-1.治具ブッシュ
- 2-2.リニアブッシュ
- 2-3.オイレスブッシュ(無給油ブッシュ)
- 2-4.樹脂ブッシュ
- 3.ブッシュをラクラク選定・手配
- 4.まとめ
ブッシュとは?
ブッシュとは、シャフト(回転軸)や治具穴に装着され、摩耗や摩擦の軽減、母材の保護、精度の担保などの目的で使用される円筒状の機械部品です。具体的には、「ベアリング」と同様に可動部分をスムーズに動かすことや、ドリルや位置決めピンなどのガイドの役割で使用されています。ブッシュは、可動部分の寿命を延ばし、メンテナンスの頻度を低減させる効果があります。前述のような役割をもつブッシュですが、例えば産業用機械の直線または回転駆動部においてシャフトの摩耗を防ぎ支持する部品として、リニアブッシュやオイレスブッシュが広く使用されています。
1 ブッシュの特長
ブッシュの主な特長として以下の点が挙げられます。
特長 | 内容 |
---|---|
摩擦低減 | ブッシュがない場合シャフトと機械の支持部が直接接触し、金属同士が激しく摩耗し、動作不良につながります。ブッシュを使用することで摩擦を低減し安定的な運動や挿入に寄与します。 |
振動吸収 | ブッシュを使用することで振動や衝撃を緩和し、動作を安定させ騒音を抑えます。これにより、安定的な機械動作や位置決めピンの挿入などを実現します。 |
高メンテナンス性 | 摩耗した部品全体を交換する必要がなくなり、ブッシュ単品を交換するだけで良い。 |
2 ブッシュの材質
ブッシュは、使用環境や機械の性能に応じて、さまざまな材質で製造されています。一般的に使用されるブッシュの材質には、以下のようなものがあります。
材質 | 内容 |
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金属 | 強度や耐久性が必要な場合に使われ、鉄や真鍮、銅合金などの素材が使用されます。特に高温や高負荷がかかる環境で効果的です。 |
樹脂 | 軽量で摩擦係数が低く、自己潤滑性があるため、メンテナンスが容易です。プラスチックやナイロン、ポリウレタンなどの素材が使われます。 |
複層 | 複数の材質を積層して組み合わせた構造をもちます。オイレスブッシュ(無給油ブッシュ)で使われます。 |
ブッシュの種類と使い方
ブッシュには多くの種類があり、それぞれ異なる特長や用途があります。ここでは、代表的なブッシュの種類について紹介します。
1 治具(汎用)ブッシュ
治具(汎用)ブッシュは、工具や治具に使用されるタイプのブッシュです。繰り返しの挿入でも穴の位置を安定して保ち、ガイドや母材保護の役割があります。例えば、ドリルやボーリングマシンなどの工具をガイドするものや、位置決めピンのガイド(挿入口)など様々な用途で使われます。
治具ブッシュは、工具や治具の挿入を繰り返す環境で使われることが多く、精度に加えて、強度や耐久性が求められるため、高硬度のステンレスやセラミック素材などの材料が使用されることが多いです。治具(汎用)ブッシュを使うことで、部品や工具の寿命を延ばし、位置決め精度を担保し作業の効率化を図ることが可能です。
代表的な治具用ブッシュの形状タイプをご紹介します。
形状タイプ | 形状イメージ |
---|---|
ストレート | |
ツバ付 | |
フランジ |
2 リニアブッシュ
リニアブッシュは、直線運動が必要な場面で使用されるブッシュで、特にリニアシャフトと組み合わせて使用されます。リニアブッシュの機構は、鋼球の転がりを利用して直線運動をする仕組みになっており、リニアブッシュがシャフト対して無限ストロークでの直線運動を実現し、シャフトがスムーズに直線運動をできるようにサポートします。
リニアブッシュは主に産業用ロボットや自動化設備、医療機器などの精密な動作が必要な装置に利用されます。リニアブッシュの特長としては、摩擦が非常に少なく、滑らかな動作が実現できる点です。これは、ボールベアリング(鋼球)を内蔵している場合が多いためであり、シャフトの高速かつ正確な直動運動が可能になります。リニアブッシュで使用される主な材質は、加えて摩耗も少なく、メンテナンスコストが低減できる特長があります。
代表的なリニアブッシュの形状タイプをご紹介します。
形状タイプ | 形状イメージ |
---|---|
ストレート | |
フランジ | |
ブロック型 | |
クランプレバー付き |
3 オイレスブッシュ(無給油ブッシュ)
オイレスブッシュとは自己潤滑機能を持ったすべり軸受けで、潤滑油を必要としないため「オイレス(Oilless)」と呼ばれています。潤滑油の供給が困難な場所や、潤滑を定期的に行えない環境で役立ちます。オイレスブッシュは、シャフトの直線運動と回転運動の両方で使用できます。
オイレスブッシュは、銅合金や青鋼に固体潤滑剤が埋め込まれており、高い耐摩耗性と低摩擦性を実現しています。また、温度変化や高荷重にも耐えられるため、過酷な使用環境でも安定した性能を発揮します。大きな荷重がかかるプレス機や自動車のエンジン部品や建設機械の可動部、産業機械など、さまざまな分野で活用されています。
代表的なオイレスブッシュ(無給油ブッシュ)の形状タイプをご紹介します。
形状タイプ | 形状イメージ |
---|---|
ストレート | |
ツバ付 | |
フランジ | |
ブロック型 |
※リニアブッシュとオイレスブッシュ(無給油ブッシュ)の特性について シャフトの直線運動でブッシュを選定する際、リニアブッシュとオイレスブッシュ(無給油ブッシュ)のどちらにするか悩むところです。基本的には、大きな荷重がかかる用途ではオイレスブッシュの使用が適しています。また、シャフトが高速に動く場合は摩擦抵抗が少ないリニアブッシュが適しています。
4 樹脂ブッシュ
樹脂ブッシュは軽量で耐食性に優れています。また、潤滑油を必要とせず低摩擦を実現し、摺動性に優れているため、組合せ部品に傷をつけないのが特長です。樹脂ブッシュの主な素材には、ポリアセタールやMCナイロンなどがあります。樹脂ブッシュは、特に低負荷で耐食性が求められる用途で使用されています。
ブッシュをラクラク選定・手配
治具や設備など幅広く使用されるブッシュですが、希望寸法のブッシュ形状が見つからないといったことはありませんか。
ミスミCナビならブッシュのサイズを最小0.1mm単位から細かく指定ができます。標準規格にないサイズでも調達が可能です。
また、CナビはWeb画面上で寸法を手入力するだけで直感的に形状を指定ができるので、普段図面を描かない方でも簡単に設計・手配が可能です。
商品選定から注文までたったの3ステップです。
ステップ1:商品を選ぶ
商品一覧のページからご希望の商品を選択します。
ステップ2:画面上で直接寸法入力
寸法は最小0.1mm単位から指定可能です。寸法入力完了後にチェック実行を行えば、価格・納期、図面がその場で確認できます。
ステップ3:カートに追加してそのままミスミサイトから注文
右下黄色のボタンをクリックしてミスミサイトから注文
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まとめ
ブッシュは、機械の稼働部において摩耗を軽減し、動作をスムーズにするために重要な役割を果たす部品で、類似部品は「ベアリング」があります。材質は金属、樹脂、複層系が存在し、SKS3やSUS440cなど高硬度なものや潤滑油を含んだ複層素材のものがあります。種類として、母材保護やガイドとして活用される治具(汎用)ブッシュ、シャフトの直動運動のガイドとして使用されるリニアブッシュ、シャフトの直線・回転運動に使用されるオイレスブッシュ、最後に樹脂ブッシュについてご紹介しました。ブッシュを選ぶ際には、用途と使用する環境に応じて最適な種類、材質を選ぶことが重要です。例えば、正確な穴あけが必要な場合には高強度で耐久性のある治具ブッシュを、安定した直線運動が求められる際はリニアブッシュを選びます。また、ブッシュを選定・手配するならミスミCナビが便利です。サイズを最小0.1mm単位から細かく指定でき、寸法入力だけで設計が可能なので、普段図面を描かない方でもブッシュを簡単に手配することが可能です。設計・調達における面倒な作業を削減できますので、ぜひご活用ください。本記事がブッシュ部品選定の一助となれば幸いです。