位置決めピンの使い方と種類を解説!
目次
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1.位置決めピンの役割と使い方
- 1-1.位置決めピンの役割・用途
- 1-2.位置決めピンの使い方
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2.位置決めピンの種類
- 2-1.フラット
- 2-2.球面
- 2-3.テーパ
- 2-4.ダイヤ
- 2-5.樹脂ピン
- 3.位置決めピンをラクラク選定・手配
- 4.まとめ
位置決めピンの役割と使い方
位置決めピンとは、機械部品や構造体の正確な位置決めを行うための部品で、製造や組立の現場において、製品の精度や品質を向上させることにつながります。位置決めピンは、金型、治具、設備など、幅広い分野で重要な役割を果たします。ここでは、位置決めピンの役割と使い方について解説します。
1 位置決めピンの役割・用途
位置決めピンの役割は主に以下の3つが挙げられます。
- ①部品や製品の正確な位置決めを行い、加工精度や組立精度を向上させること。
- ②部品の位置をしっかりと固定し、ずれや動きを防止すること。
- ③組立作業の際にガイドとして機能し、ミスのない作業や動作をサポートすること。
主な位置決めピンの用途は、金型、機械装置の組み立て、ワークの位置決め、固定具(治具)として使われていますが、これ以外にも多種多様な場面で位置決めやガイドの用途として使われています。
2 位置決めピンの使い方
位置決めピンの使い方は、通常2本のピンを用いて部品やワークを治具に対して位置決めします。挿入のしやすさと位置決め精度を両立させるため、先端がフラット形状のピンとダイヤ型のダイヤピンを組み合わせて使われることがあります。
また、2本の位置決めピンの高さに違いを持たせることで、挿入のしやすさ・作業性を向上させることもできます。
ここで、治具にワークを位置決めするケースを想定して使い方の流れをご紹介します。
ステップ | 内容 |
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① 位置決めピン選定 | 位置決めピンの選定には、用途、材質(金属、樹脂)、サイズ、形状、取り付け方法を確認し、最適なものを選ぶことが重要です。例えば、分解・再組立てを頻繁に行う場合には挿入しやすい位置決めピンを選定したり、ワークに傷が付きにくい球面の先端形状を選ぶなどです。 |
② 位置決めピン配置 | 位置決めピンは、ワークの対角に2本配置すると位置決め精度が上がります。ピンの数を必要以上に増やすと位置決めが困難になりますので注意です。またピンの高さに違いを持たせることでスムーズな位置決めが可能になります。高い方のピンを最初に挿入し、その後、低い方のピンを挿入して、正確な位置決めを行います。これによりピンの挿入が容易になり精度が向上します。 |
③ 位置決めピン挿入 | 位置決めピンをワークの穴に挿入します。ピンが垂直に挿入されるように注意しましょう。必要に応じて、ハンマーなどで軽く叩いて固定することもあります。最後にワークがしっかりと位置決めされているか、がたつきがないかなど確認します。 |
参考:位置決めピンを挿入するワークの穴は、ピンの径よりわずかに大きい穴径を設けることが一般的です。これにより、ピンの挿入がスムーズになります。
位置決めピンの種類
位置決めピンにはいくつかの先端形状があります。それぞれの用途に応じて選定することが必要です。ここでは、代表的な位置決めピンの先端形状種類をご紹介します。
1 フラット
位置決めピンの先端が平面になっており、高精度な位置決めピンとして多用途に使用されています。挿入をスムーズにするためにフラットピンはダイヤピンとセットで使われることがあります。
2 球面
位置決めピンの先端が球状になっており、接触面積が小さいのが特徴です。軸方向や角度の自由度が必要な場合に適しています。また、部品を傷つけにくいため、精密機械や精密治具の位置決めに使用されることもあります。
3 テーパ
位置決めピンの先端が円錐形になっており、徐々に広がるテーパ形状です。
テーパ部はガイドとしての機能が高く、ピン挿入時の位置合わせの容易さが特徴です。
例えば、組立作業などで部品を簡単に位置決めできるようにするために用いられます。
4 ダイヤ
位置決めピンの先端がダイヤ形になっています。
方向を限定して位置決めができる特性を持ち、部品や治具を特定の方向に位置決めしたい場合に使われます。また、ピン挿入時の抵抗が少なくワークの挿入がしやすい特徴があります。
5 樹脂ピン
樹脂の位置決めピンは、軽量で耐摩耗性や耐薬品性に優れた樹脂素材で作られたものです。金属製の位置決めピンに比べて軽く、特定の環境下で使用が推奨されます。例えば、化学薬品や湿気の多い環境での使用が挙げられます。樹脂位置決めピンの先端形状にも、フラットや球面、テーパなどの形状があります。
各種位置決めピンは、用途や必要な精度に応じて使い分けます。例えば、高精度な位置決めを行いたい場合は位置決めピンの先端がフラット形状のもの、挿入のしやすさを重視したい場合(頻繁にワークの抜き差しが発生する場合など)はテーパ形状、ワークの挿入角度を特定の方向に位置決めしたい場合はダイヤピン、といったようにピンの種類を使い分けできます。また材質の種類には金属と樹脂がありますので、用途と使用環境を考慮し形状を選びましょう。
位置決めピンをラクラク選定・手配
治具や設備など幅広く使用される位置決めピンですが、希望寸法の位置決めピンが見つからないといったことはありませんか。
ミスミCナビなら位置決めピンのサイズを最小0.1mm単位から細かく指定ができます。標準規格にないサイズでも調達が可能です。
また、CナビはWeb画面上で寸法を手入力するだけで直感的に形状を指定ができるので、普段図面を描かない方でも簡単に設計・手配が可能です。
商品選定から注文までたったの3ステップです。
ステップ1:商品を選ぶ
商品一覧のページからご希望の商品を選択します。
ステップ2:画面上で直接寸法入力
寸法は最小0.1mm単位から指定可能です。寸法入力完了後にチェック実行を行えば、価格・納期、図面がその場で確認できます。
ステップ3:カートに追加してそのままミスミサイトから注文
右下黄色のボタンをクリックしてミスミサイトから注文
ミスミCナビで位置決めピンをはじめとする加工部品をラクラク手配してみませんか。
まとめ
位置決めピンとは、機械部品や構造体の正確な位置決め、固定、組立作業時のガイドなどとして役割を果たし、主に機械装置の組み立て、ワークの位置決め、金型などの用途に使われています。位置決めピンの使い方はシンプルで、ワークにピン用の穴をあけ、そこにピンを挿入します。このとき、一般的には2本の位置決めピンを使ってワークや部品の位置決めを行います。位置決めピンの種類は、材質では金属に加えて樹脂製のものもあり、先端形状は基本的なフラット形状からダイヤピンまで複数の種類がありますので、使用目的や環境等を考慮して最適な位置決めピンを選びましょう。また、位置決めピンを選定・手配するならミスミCナビが便利です。サイズを最小0.1mm単位から細かく指定でき、寸法入力だけで設計が可能なので、普段図面を描かない方でも位置決めピンを簡単に手配することが可能です。設計・調達における面倒な作業を削減できますので、ぜひご活用ください。
位置決めピンは多くの製造現場で使用されており、品質と正確性を確保するための重要な部品です。本記事が位置決めピン選定の一助となれば幸いです。