ボルトの適正締付軸力/ 適正締付トルク
ボルトの適正締付軸力と適正締付トルクについて
適切な締付軸力とトルクの選定は、締結部の強度を最大化し、疲労や陥没、被締付物の破損などを防ぐために重要です。
このページでは、締付軸力とトルクの計算方法、ボルトとナットの締付係数の標準値、および初期締付力とトルクの決定方法について確認することができます。
ボルトで締結するときの締付軸力及び疲労限度
- ボルトを締付ける際の適正締付軸力の算出は、トルク法では規格耐力の70%を最大とする弾性域内であること
- 繰返し荷重によるボルトの疲労強度が許容値を超えないこと
- ボルト及びナットの座面で被締付物を陥没させないこと
- 締付によって被締付物を破損させないこと
ボルトの締付方法としては、トルク法・トルク勾配法・回転角法・伸び測定法等がありますが、トルク法が簡便であるため広く利用されています。
締付軸力と締付トルクの計算
締付軸力Ffの関係は(1)式で示されます。
Ff=0.7×σy×As……(1)
締付トルクTfAは(2)式で求められます。
TfA=0.35k(1+1/Q)σy・As・d……(2)
k :トルク係数
d :ボルトの呼び径[cm]
Q :締付係数
σy :耐力(強度区分12.9のとき112kgf/mm2)
As :ボルトの有効断面積[mm2]
計算例
軟鋼と軟鋼を六角穴付きボルトM6(強度区分12.9)で、油潤滑の状態で締付けるときの適正トルクと軸力を求めます。
・適正トルクは(2)式より
TfA=0.35k(1+1/Q)σy・As・d
=0.35・0.17(1+1/1.4)112・20.1・0.6
=138[kgf・cm]
・軸力Ffは(1)式より
Ff=0.7×σy×As
0.7×112×20.1
1576[kgf]