• お知らせ

    ログインできないお客様はこちらをご確認ください。

ステンレス種類一覧!SUS303、SUS304、SUS316などの違いも解説

目次

  1. 1.ステンレスとは?
  2. 2.ステンレス種類と特徴
  3. 3.ステンレス種類の選定ポイント
  4. 4.よくある質問(FAQ)
  5. 5.ステンレスをはじめ加工部品を簡単手配
  6. 6.まとめ

ステンレスとは?

ステンレスとは、クロム(Cr)を10.5%以上含む合金鋼の総称です。クロムを含有することで、表面に不導体被膜と呼ばれる薄い酸化被膜が形成され錆びにくい性質があります。さらに、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、鋼(Cu)を配合したものが多く存在し、強度や加工性、耐食性などを高めた種類も多く存在し、最初はどれを選べばよいか分かりづらいです。本記事では、ステンレスの種類やそれぞれの特性を一覧でご紹介し、ステンレス種類選定の一助となればと考えております。

寸法入力だけで
加工部品をラクラク設計・手配

ステンレス種類と特徴

加工部品を選定・調達する上で、気になるのは各種ステンレス材の違いだと思います。
ここでは、代表的なステンレス種類(※1)とそれぞれの特徴についてまとめておりますので、材質選定のご参考にしていただければと思います。


名称 分類 特徴 主な用途 磁性
SUS303 オーステナイト系 切削加工の部品に適している。溶接性や耐食性はSUS304には劣る。 ボルト、ナット、シャフト、バルブ部品など丸物切削部品
SUS304 オーステナイト系 最も汎用的で、耐食性、加工性、溶接性に優れている。 一般的な用材
SUS304-2B オーステナイト系 SUS304と同成分だが、2B仕上げは、冷間圧延後に熱処理+酸洗い、表面仕上げがされており、ややつや消しグレーの均一色で、指紋や傷がつきにくい。 工業分野でタンクや配管などで広く使われています。
SUS304-#400ミガキ材 オーステナイト系 #400番の研磨材を使用して表面を研磨し、鏡面に近い光沢を出す。耐食性、美観、清掃性に優れる。 半導体製造装置、厨房器具、機械部品など
SUS316 オーステナイト系 耐食性がSUS304より高いく、塩素や海水環境でも使用される。溶解性良好。 船舶、医療機器、食品機械、化学プラントなど
SUS430 フェライト系 ニッケルを殆ど含まずコストメリットが大きい。耐食性はSUS304に劣るが磁性がある。 キッチンシンク、装飾用パネルなど
SUS410 マルテンサイト系 焼入れが可能で高硬度化可能。耐摩耗性や一定の耐食性が必要な用途に適する。 刃物、シャフト、タービンブレードなど。
SUS420 マルテンサイト系 高炭素量でSUS410より硬化性が高い。切削や研削後に焼き入れ+焼戻しで硬度を上げる。 刃物、工具、精密機械部品など。
SUS440C マルテンサイト系 マルテンサイト系ステンレスの中で最も高炭素量で、焼入れ+焼戻しで硬度60HRC以上が可能。耐摩耗性も高い。 刃物、ボールベアリング、精密機械部品、計測機器など

※1.代表的なステレンス:当社でよく問い合わせのある材質。

磁性については、上記表で“無”のものでも、加工を行うことにより特にオーステナイト系(SUS304、SUS316)は磁性を帯びることがあります。

寸法入力だけで
加工部品をラクラク設計・手配

ステンレス種類の選定ポイント

各種ステンレス材についてまとめましたが、実際に材質を選定する場合のポイントが何かを押さえておくと有効です。ここでは、ステンレス材選定のポイントについてご紹介します。

1 使用環境

どのような環境で使用するのかを考慮することは重要です。例えば、耐食性が求められる環境(海水、酸、アルカリの環境)ではステンレスが優れていますが、特にSUS316をはじめとするオーステナイト系は高い耐食性を示します。

2 強度・硬度

特に高い強度・硬度が求められる場合は(工具など)、SUS410、SUS420などの焼入れで硬度が高められるマルテンサイト系が適しています。また、焼入れを行うと残留ひずみが大きくなるため、焼入れ後に焼戻しを行います。

3 加工性・成形性

溶接や曲げ加工が多い場合は、オーステナイト系のSUS304、SUS316が適しています。切削性重視のSUS303もありますが、溶接や耐食性はSUS304より劣ります。

4 磁性の有無

磁力で部品を固定する治具を使う場合や、磁性を嫌う計測機器など、磁性の有無が問題になることもあります。磁性の有無については、基本的にマルテンサイト系(SUS410,SUS440など)とフェライト系(SUS430など)は磁性があり、オーステナイト系(SUS303,SUS304など)は非磁性という大まかな分類を覚えておくと良いでしょう。ただし、オーステナイト系も加工を行うと磁性を帯びる場合もあります。

5 表面仕上げ(見た目)

美観性が求められる外装部品などは、各種表面仕上げを選定することがあります。表面処理には、圧延処理によって光沢のある表面に仕上げたもの(一般的な用材、自動車部品など)、研磨ベルトやバフによって仕上げたもの(装飾品、建材、シンク)など多数の種類があります。

よくある質問(FAQ)

ここでは、本記事内容をもとにステンレスについてよくある質問と回答をまとめておりますのでご覧ください。

Q1.ステンレスなのに錆びてしまうのはなぜか?

ステンレスは錆びにくい金属ですが、絶対に錆びないわけではありません。海水や塩素系等の粒子が付着して不動態被膜(酸化被膜)が破壊されるような環境では、腐食が進む場合があります。また、「もらい錆」と呼ばれる他の錆びた鉄粉がステレンス表面に付着して錆が発生するケースもあります。この場合、環境整備や定期的な洗浄や保守が重要です。

Q2.SUS304とSUS316の違いは何か?

大きな違いは、モリブデン(Mo)を含むかどうかです。 SUS316にはMoが2~3%加えられており、塩化物イオンへの耐食性がSUS304より優れていますので、海水や塩素系薬品を扱う環境ならばSUS316が選ばれることが多いです。ただ、一般的にコストはSUS304より高めになります。上記環境でなければSUS304がコスト的に有利です。

Q3.SUS303とSUS304の違いは?

大きな違いは、SUS303には切削性を高めるために硫黄(S)が添加されており、旋盤やマシニングセンタなどでの機械加工に優れています。一方でSUS304より溶接性や耐食性が劣ります。溶接や曲げ加工が多い部品はSUS304が良いでしょう。

Q4.SUS304とSUS304-2Bの違いは何か?

機械的性質は同じですが、表面仕上げが異なります。 2B材は滑らかで光沢のある表面に仕上げるために熱処理後、冷間圧延して仕上げたものです。適度な光沢の外観が欲しいならSUS304-2Bを選ぶと良いでしょう。

Q5.ステンレスに磁性はあるのか?

磁性の性質については、ステンレス組織によって決まります。基本的には以下の分類で覚えておくと良いでしょう。

  • ①オーステナイト系(SUS303,SUS304,SUS316など)は基本的に非磁性ですが、冷間加工や加工変形などにより一部がマルテンサイト化すると部分的に磁性を帯びることがあります。
  • ②マルテンサイト系(SUS410,SUS420,SUS440Cなど)
    磁性があります。
  • ③フェライト系(SUS430など)
    磁性があります。


Q6.ステンレス仕上げ種類は?

ステンレス仕上げの種類は豊富な種類が存在します。ここでは代表的な表面仕上げ種類を6つ紹介します。

仕上げ種類 仕上げ状態
2B(Bright) 滑らかで光沢がある
2D(Dull) グレーマットで光沢がない(つや消し)
#400ミガキ 鏡面のような仕上げ
No.1 光沢はない
HL ヘアライン仕上げ
BA 光沢のある美しい表面

Q7.ステンレスと鉄の違いは?

ステンレスと鉄の違いはクロムの含有量です。ステレンスはクロム(Cr)を10.5%以上含みます。このクロムが不導体被膜を形成し錆びにくい性質を得ます。

ステンレスをはじめ加工部品を簡単手配

板金、フライス(角物)、旋盤(丸物)といったステンレス材の加工部品をその場で手間なく調達するならミスミCナビが便利です。 ミスミCナビならWEB上で材質・表面処理を選んで寸法を直接入力するだけで価格・納期がその場で分かり注文まで行えます。普段図面を描かない人もワンストップで加工部品を手配できますのでぜひお試しください。

使い方の流れはシンプルで、注文までたったの3ステップです。



ステップ1:商品を選ぶ

商品一覧のページからご希望の商品を選択します。

部品一覧>



ステップ2:画面上で直接寸法入力

寸法は最小0.1mm単位から指定可能です。寸法入力完了後にチェック実行を行えば、価格・納期、さらに簡易図面がその場で確認できます!



ステップ3:カートに追加してそのままミスミサイトから注文

右下黄色のボタンをクリックしてミスミサイトから注文

ミスミCナビでステンレス材部品をはじめとする加工部品を簡単手配してみませんか。



寸法入力だけで
加工部品をラクラク設計・手配

まとめ

ステンレスは、クロムを10.5%以上含む合金鋼で、錆びにくい性質を持つ金属です。代表的な種類には、耐食性や加工性に優れたSUS304、さらに耐食性が高く塩素や海水環境で使用されるSUS316、切削加工に適したSUS303、磁性を持つSUS430などがあります。ステンレス種類を選ぶ際は、使用環境、必要な強度、加工性、磁性の有無などを考慮することが重要です。また、ステンレスは錆びにくいことで有名ですが、海水や塩素粒子が付着するような使用環境や他の金属との兼ね合いで錆びることがあります。使用環境の整備、適切な保守が必要です。
ステンレス材をはじめとする加工部品(板金、フライス、旋盤、溶接)の調達はミスミCナビが手間なく便利です。材質はプルダウンから選択し、画面上で寸法を直接入力するだけで加工部品を簡単に手配することが可能です(詳細はこちら>)。設計・調達における面倒な手間を削減できますので、ぜひご活用ください。本記事がステンレス材質選定の一助になれば幸いです。

ミスミCナビの詳細を見る

加工部品の解説・情報

共通加工条件

製図情報

技術計算情報

機械要素情報

材料情報

処理方法情報

ご注文・お取り引きについて

0120-343-066 9:00~18:00(日曜日・年末年始は除く)

サービス・利用内容について

050-3131-1182 9:00~12:00、13:00~18:00
(日曜日・年末年始は除く)