産業用機械のシャフト部品・回転軸とは?
役割・種類を解説

目次

  1. 1.シャフト・回転軸とは?
    • 1-1.シャフト・回転軸の役割と用途
    • 1-2.シャフト・回転軸の特徴
  2. 2.シャフト・回転軸の種類
    • 2-1.役割
    • 2-2.先端形状
  3. 3.シャフト・回転軸をラクラク選定・手配
  4. 4.まとめ

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シャフト・回転軸とは?

シャフト(shaft)とは、回転運動の伝達や直動ガイドとして直線運動を支えるための丸棒形状の部品のことを指し、両端にはベアリングや歯車またはシャフトホルダなどが取り付けられることが一般的です。シャフト・回転軸は、産業用機器・装置や自動車など、さまざまな分野で幅広く使用されています。材質はS45CやSUS304をはじめSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)やSUS440Cなどの高硬度なものも使われています。

1 シャフト・回転軸の役割と用途

シャフト・回転軸の主な役割は、回転動力を伝えること、または直線運動をガイドすることです。回転動力伝達とは、例えば自動車や産業用機器では、回転軸を通じてエンジンやモーターの回転力がタイヤや他の機械部品に伝達することです。したがって回転軸には高い耐久性と精度が求められます。直線運動のガイドとは、自動化装置やロボットアームなど、部品や工具が正確に直線的に移動させる必要がある場合に使われています。こちらも軸の精度はもちろん、耐摩耗性や耐久性が求められます。

直線運動ガイド用のシャフト
図1.1 直線運動ガイド用のシャフト

2 シャフト・回転軸の特徴

シャフト・回転軸は装置の動力伝達や直動ガイドといった役割で使用されることもあり、精度が求められるため、精度を担保するためにはめあい公差や幾何公差が設けられます。主な精度確認項目としては、①外形寸法(長さ・外径等)、②真円度、③同軸度が代表的であり、マイクロメータや3次元測定器をはじめとする複数の測定機器を用いて精度確認を行います。簡単にそれぞれの精度確認項目についてご紹介します。

  • ①外形寸法
    軸の径と軸の長さ精度を評価します。
    軸の径については、「軸と穴(または凹凸)のスキマ量」を示すはめあい公差で指定します。例えば、回転軸のベアリング接続部では、h7公差が用いられることが多いです。
  • ②真円度
    真円度は幾何公差の1つで、軸の断面がどれだけ真円に近いかを示す評価の基準です。例えば下図の場合、任意の軸直角断面における外周は、同一平面上で0.1mmだけ離れた二つの同心円の間になりません。
    真円度の図面指示
    図1.2 真円度の図面指示
  • ③同軸度
    同軸度は幾何公差の1つで、複数の円柱や穴がある基準軸に対してどれだけ一致しているか、つまりどれだけ軸が共通の中心線を共有しているかを示す評価基準です。
    例えば下図の場合、指示線の矢で示した軸線は、データム軸直線Aを軸線とする直径0.01mmの円筒の中になければなりません。
    同軸度の図面指示
    図1.3 同軸度の図面指示

シャフト・回転軸は動力伝達や直動ガイドといった役割で、重要かつ精度が求められる箇所で使われます。寸法公差、はめあい公差、幾何公差などを確認して選定・使用することが求められます。

また、シャフト部品は強度・硬度を必要とする場合が多いため、焼入れ処理を行うことがあります。このような熱処理を行うことで、表面の硬度を向上させて摩耗や摩擦に対する抵抗力を高めることができます。

焼入れシャフトはこちら

シャフト・回転軸の種類

シャフト・回転軸にはさまざまな種類があり、役割や形状によって使い分けられます。ここでは、主に産業用機械で使われるシャフト・回転軸をご紹介します。

1 役割

役割 内容
動力伝達 回転用途のシャフトは、回転軸とも呼ばれます。回転運動を伝達するために使用され、例えばモーターシャフトやドライブシャフトが含まれます。これらは主に駆動系の部品として使用され、高い回転精度と耐久性が求められます。材質は、一般的にS45C、SUS304が使われます。
直動ガイド 直線運動を伝達するために使用されます。リニアシャフトやガイドシャフトがその例です。これらは主に精密機械や自動化装置に使用されます。
材質は、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)や、SUS440Cといった高硬度で耐摩耗性に優れた材質が使われています。なお、こちらの材質は熱処理が基本となっています。

2 先端形状

  • ①ストレートタイプ
    両端とも平らな標準タイプのシャフト・回転軸です。
    ストレートタイプ
  • ②段付タイプ
    シャフトホルダ・ベアリング接続用に段が付いているシャフト・回転軸です。両端と片端タイプがあります。
    段付タイプ
  • ③めねじタイプ
    固定用にめねじ加工されたシャフト・回転軸です。両端と片端タイプがあります。
    めねじタイプ
  • ④おねじタイプ
    固定用におねじ加工されたシャフト・回転軸です。両端と片端タイプがあります。
    おねじタイプ
  • ⑤2段タイプ
    固定面とのクリアランスを設けるために2段加工されたシャフト・回転軸です。
    2段タイプ

寸法入力だけで
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回転軸(駆動軸)商品一覧

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まとめ

シャフト・回転軸とは、金型や機械装置における動力伝達や直線運動に役割を担う重要な部品で、高い精度と強度が求められます。用途は、産業用機器・装置から自動車まで様々な分野で使われており、今後、工場の自動化が進むにつれて益々使用される機会は増えていくと考えられます。また、シャフト・回転軸は動力伝達や直動のガイドの役割として使われることが多いため精度や強度、耐久性などが求められます。用途に応じて適切な公差指示や焼入れ処理を行いましょう。シャフト・回転軸の種類としては用途別と先端形状別にご紹介しました。おねじ、めねじをはじめ使用箇所に応じて適切な形状を選ぶことができます。シャフト部品は公差、熱処理など慣れないうちは図面指示が大変なこともあるかと思います。簡単に設計・手配するならミスミCナビが便利です。材質を選んで寸法入力するだけの直感的操作で設計が可能で、サイズを最小0.1mm単位から細かく指定でき、その場で注文が可能です。設計・調達における面倒な作業を削減できますのでぜひご活用ください。 シャフト部品は機械装置にとって重要な役割を果たし、耐久性と精度を求められる部品です。本記事が皆様のシャフト部品選定の一助となれば幸いです。

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